福祉施設訪問レポートvol.0
2024.12.23訪問
近鉄丹波橋駅から歩いて10分ほど。
広い駐車場の奥の大きなコンクリートの建物の3階に、2016年の夏から5年間、私が働いていた京都市ふしみ学園 アトリエやっほぅ‼︎(以下、やっほぅ‼︎)があります。
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ここでちょっと話はさかのぼり、2016年のおはなしを。
私は当時、何がきっかけだったかはもう覚えていませんが、雑誌や街中で障害のある人たちのアートに出会ってその魅力にすっかりはまり、展覧会に足を運んだりアール・ブリュット、アウトサイダー・アートについての本を読んだり、私と彼彼女たちは何が違うんだろう?違わないんだろう?と考えたりしていました。
もともと美術や音楽、ダンスなどのアートに触れるのが大好きだった私は、次第に、アートとの関わり方として障害のある人たちのアート活動のサポートができないだろうか、、、と夢想するようになりました。
京都の小さなお寺で障害のある人たちの作品展示や雑貨販売をするイベントがあると聞きつけた私は足を運び、そこでやっほぅ‼︎に出会いました。
やっほぅ‼︎メンバーの作品はどれも素晴らしく雑貨もかわいかったので、店番をしていたスタッフに見学に行くことはできるかとお聞きし、数日後やっほぅ‼︎を訪れます。
そしてあれよという間に幸運にもアルバイトとして採用されることになったのでした。
やっほぅ‼︎のみなさんの作品を世に広めたくて、雑貨の制作販売や、展覧会の準備、年々増える外部からの作品利用や販売依頼の対応などのお手伝いをさせていただきました。

お茶の時間。写真左より中央の紺と赤のジャケットの男性がリーダーの中島慎也さん
そこから今では約9年がたちました。
現在のやっほぅ‼︎は、、、、
相変わらずのんびりマイペースな楽しいやっほぅ‼︎でした!
現在在籍中のメンバー18名。私が働いていた時とほぼ変わらず、新しいメンバーが2名加わっていました。
やっほぅ‼︎は京都市ふしみ学園の中に7つある班の一つで、各班はそれぞれに軽作業などのお仕事をしています。やっほぅ‼︎はお仕事も少ししますが、生活介護メインで日中はアート活動を主にしています。

厚紙を削って作品をつくる堀口好輝さん。これを刷った版画作品が人気の作家さんです。
なつかしいメンバーとの対面にちょっとドキドキしつつ、一人一人に再会と初めましてのごあいさつ。「誰だっけ?」と忘れられていて帰る少し前に「思い出した思い出したこまつさんー」と言ってくれた方も。(めっちゃ一緒にヨガもしたのに!)
でもみなさん本当に変わらず、絵を描いたり、お昼寝していたり(この時は昼食後でした)、もくもくと作業をしたり、仲良しのメンバーとお話ししたりとそれぞれのスタイルで過ごされていました。
でも中には何名か、私が退職した後ご家庭の環境に変化があったりと、私もそうであるように、みなさんにも色々あったようです。

隣り合った席で創作しているたまたま同じ苗字の二人の木村さん。左が洸太さん、右が全彦さん。
窓からの眺めも最高です。

私が退職する少し前から絵を描き始めた木村洸太さん。
とても研究熱心で、日に日に自分の描きたい絵が描けるようになってきているそうで凄いです!
やっほぅ‼︎はアート活動を2008年からスタートし、今で16年経ちます。これだけ長くアート活動を続けるのは大変だったと思います。
その中で、気をつけていることや、これが良かったんじゃないかと思うことをスタッフにお聞きしました。
お聞きしたのは、やっほぅ‼︎リーダーの中島さんと、私と一緒に働いていた梢さん、田代さんです。お三方のお話には通底している部分も多いので、以下にまとめさせていただきますね。
国内外で評価の高い作家もおられるけど、自分のためにこつこつと絵を描く方もいる。いろんな方がそれぞれに創作しているのがやっほぅ‼︎のよさ。
大切にしているのは、その人らしさがちゃんと出ていること。それをそのまま見せること。
例えば、作品がよく見えるようにとスタッフが頑張りすぎてしまうと、かえって伝わりにくくなることがあるし、スタッフも大変で続かない。
でも、ただ作品を横に並べて置くだけではなかなか人にみてもらえないので、作品自体を素直にみてもらえるよう考えるのがスタッフの腕の見せ所でもあると思う。利用者さんが使いやすい素材ややり方を一緒に探して見つけるのも大切。
ある画材では創作がはかどらなくても、他の画材だとイキイキ創作されることもよくある。年齢や体の変化によって、例えば手の負担をへらすために色鉛筆から絵の具に変える、クレヨンを持ちやすく工夫するなどの対応も。
あとは、とにかく継続すること。
始めは活動の幅がせまくても、続けるうちに少しずつつながりができて、16年経つ今では展覧会の依頼も増え、都心部でも作品を展示してもらえるようになった。雑貨の制作や販売についても、商品を取り扱ってくれる相手先と、お互いが無理なくできるよう、納品の回数をまとめさせてもらったり、商品のラインナップを相手先と相談しながら広げすぎない、というのもメンバーが活動をつづけるためには必要。
実は、やっほぅ‼︎は、ずっと地元の人たちともっと交流したいという思いがあり、路面で定期的にマーケットを開催したり、地元の方に向けたワークショップを開催するなど試行錯誤をしていました。
最近では、地元の企業とじんわり関わりが広がって、メンバーの作品を商品やデザインに使ってもらえるようになってきたそうです。
地元の方が気軽にやっほぅ‼︎に遊びに来る夢はまだかないませんが、これも、長年続けてきたからこその成果だと思います。

自分の作品に囲まれて創作をする小寺由理子さん。わくわく楽しい作品が魅力的です。
私が在籍していた時には、年に一回ギャラリーを借りてやっほぅ‼︎メンバーのグループ展を開催していたこともありました。
これは、メンバーご自身やご家族がとても喜ばれたのとともに、作品の販売にもつながったり、雑貨の販売もできるなどとても大きな成果もありましたが、一方でスタッフの労力も大きく、最終的にはグループ展は終了させて、日々のメンバーみなさんの制作や日常の安定に力を注ぐ決断をしました。
メンバーが活き活きとアート活動ができるように、必要なことを選んだり、時には捨てたりもしてきたやっほぅ‼︎ですが、だからこそ今の継続した活動があるのかなと感じました。
これからもやっほぅ‼︎のみなさんを応援しています!
社会福祉法人 京都障害者福祉センター 京都市ふしみ学園
http://f-gakuen.sakura.ne.jp
アトリエやっほぅ‼︎
https://atelieryoohoo.com/
写真・レポート:小松紀子
協力:社会福祉法人 京都障害者福祉センター 京都市ふしみ学園 アトリエやっほぅ‼︎のみなさん

