しもむら名作劇場ギ

展覧会に行ってきました

展覧会レポートVol.3

2025年2月28日訪問(投稿日現在会期中*2025年3月30日(日)まで)

art space co-jinは京都の河原町丸太町を上がった荒神口にあるギャラリーです。
障害のある人の作品や表現に出会える場として、きょうと障害者文化芸術推進機構(事務局は京都府障害者支援課)が運営しています。
なので、数ヶ月ごとに展示替えされる作品は主に障害のある人の作品。

今回の展覧会「しもむら名作劇場ギ」は、下村将大さんの個展です。

ギャラリー入り口からみた風景

通りからガラス越しにギャラリー内をのぞくと、白壁一面を塗り込めてあるかのように、たくさんの色彩豊かな作品が整然と並べられて展示されているのが見えます。

さらに、室内に入ると、作品やその色彩の量に加え、絵から感じる物語性に圧倒されます。

物語性と書いたのは、作品一点一点がそれだけで完成された絵本かのような、想像力がぐんぐんふくらむ奥行と幅を感じたから。
一見似た構図の作品にも、よく見るとそれぞれに細かなディテールが描かれていて、みるほどに惹き込まれます。

これでもかと言わんばかりのたくさんの作品が展示されています

不思議なのは、これだけたくさんのビビッドな色彩が壁一面にあるのに、息苦しさというか、圧迫感を感じなかったこと。お腹いっぱいすぎる感がないというか。
それは、作品の向こう側に異次元のようにに広がる奥行きが感じられるからなのか、作品全体にあふれる朗らかな印象によるものなのかわからないのですが、ただただワクワク感を感じました。


ギャラリーにはモニターが置かれ、下村さんが描く様子が映像で映されています。
下村さんは定規を使って線を描いたり色を塗ったりしているようです。

モニターに映された下村さんの作画の様子

定規で色を塗っている様子

作画に使われている「定規」も展示されていました。
たくさんのペンやクーピーなどの色がくっついた定規です。
個人的にはこの展覧会のみどころの一つではと、とても気に入っている展示物です。

ところで、
私はco-jinの展示がとても好きです。
ギャラリーや美術館など、作品が展示される場にはそれぞれ個性が感じられることがあります。
できるだけギャラリーの個性を出さず、ただただ作品と対峙させるような展示もあれば、作品よりギャラリーの個性の方が強いのでは??というような展示、、、本当に色々です。

私の個人的な感想ですが、co-jinの展示にはいつも、観る人に作品をしっかり味わってほしいという思いや、作者や作品への純粋な興味、探究心や敬意が感じられ、その展示のキュレーション(展示の企画、調査から実施など)をしている方の”推し感”を感じます。
それが作品とともに味わえ、幸せな気分になれるので、私はco-jinの展示が好きなのです。

今回の展示でも展示スタッフの方の”推し着眼点”の一つとでも言いましょうか、(と、私が勝手に受け取っているのですが、、、)3パターンのサインを下村さんが作品に書いているのもとてもミステリアスで気になりました。

写真の「サイン1」の数字は制作年なのですが、実は1年ずれていたり、「サイン3」も、私にはとてもツボというか、キュンとくるというか。定規で引かれた直線のチェックマークのようなサインがとても気になります。その辺り、ぜひいろんな方にギャラリーに足を運んで実際に味わっていただきたいなぁと思わずにおれません。

会場の映像で観られるのですが、下村さんが作品を完成させたあとの「作品を愛でるひととき」にもじんわり心を掴まれました。
思わず、「日々の生活の中で自分のしたことや物を雑に扱ってないか」と、我が身を反省したりもし、、、(汗)

今回は、art space co-jinで開催の「しもむら名作劇場ギ」展についてお伝えしました。

コンパクトながら開放的なギャラリーでみっちり作品を堪能してきました。
co-jinのみなさん、ありがとうございました!!

文章・写真:小松紀子

art space co-jin きょうと障害者文化芸術推進機構
https://co-jin.jp/

展覧会「しもむら名作劇場ギ」
会期:2025年1月22日(水)–3月30日(日)月曜、火曜休廊 / 10:00-18:00
会場:art space co-jin (〒602-0853 京都市上京区河原町通荒神口上ル宮垣町83 レ・フレール 1階)
入場料:無料
主催:art space co-jin きょうと障害者文化芸術推進機構

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