京セラギャラリー 2025年夏季特別展 表現のそれから – アートと障害のアーカイブ・京都 –

展覧会に行ってきました
京セラギャラリー 2025年夏季特別展「表現のそれから -アートと障害のアーカイブ・京都-」

展覧会レポートVol.5

2025年7月19日訪問(現在は会期終了しています)

みなさんは京都府が 、 障害のある人のアート作品 をデジタルデータで保存し、ウェブ上で公開する デジタルアーカイブ プロジェクトに取り組んでいることをご存知でしょうか?

今回はこの、デジタルアーカイブプロジェクト「アートと障害のアーカイブ・京都」についての展覧会をレポートします。
といっても、このレポートを書いているのは展覧会の会期2025年6月7日〜7月26日をとうに過ぎた2025年の9月、、、。なのですが、みなさんに「こんな取り組みが京都で行われていますよー」とご紹介したいと思い、遅まきながら書いております。

展示会場では「アートと障害のアーカイブ・京都」ウェブサイトの閲覧もできました

この展覧会「京セラギャラリー 2025年夏季特別展 表現のそれから – アートと障害のアーカイブ・京都 –」は、京都市伏見区にある京セラ本社1階にある京セラギャラリーで開催されました。企業内にあるギャラリーとはいえ、展示スペースも広く設備のととのったギャラリーで、私は以前、京都市ふしみ学園アトリエやっほぅ‼︎の展覧会がこちらで開催された時にも足を運んだことがありました。

展示の様子

「アートと障害のアーカイブ・京都」は、art space co-jin ( きょうと障害者文化芸術推進機構 )が行うデジタルアーカイブのウェブサイト名です。

art space co-jin は京都市上京区にあるアートギャラリーでもあり、こちらでは年間を通してたくさんの障害のある人のアート展を企画、展示しています。
そのギャラリーのスタッフがアーカイブの実務を担い、京都府内の障害のある作家のなかで取組に協力してくれる方の作品を選定し、作品の画像など色々な情報をデジタル化し、記録・保存・データベース化していろんな人が気軽にアクセスできるよう管理運営しています。

会場ではart space co-jinが編纂した活動報告書や展覧会のフライヤーなども見ることができました。

障害のある人の作品は、個人宅や福祉施設で保管されていることが多いのですが、保管しきれずやむなく破棄されたり、画材や管理方法などによっては劣化しやすいなど、「良い作品だから後世にも残し伝えたい!」と思ってもうまくいかないことが多々あります。

デジタルアーカイブで作品を記録し残すことで、ながく後世に伝えることができますし、遠距離に住む人がウェブ上でアクセスし作品を観ることもできます。それにより、好きな作家の作品を購入したい人や作品を商品化したい人にもメリットがありますし、さらにはそれが展覧会のタイトルにあるように、障害のある人の”表現のそれから”を支えることにつながるとも言えます。

廣川 照章さんの作品/ガムテープの層がなんと美しい!絵画などの平面だけでなく立体作品もアーカイブされています。

作品の記録は、その画像や作品タイトルはもちろん、作品のサイズ、使用画材や技法、制作年の他、ご本人や関係者の了承のもと、作家の創作背景や様子などについても細かく調査され記録されています。

キャプション/展示では「アートと障害のアーカイブ・京都」のウェブサイト同様、作家のプロフィール(制作エピソード)も紹介された。

作品の画像は、もとの作品の質感や色調が可能な限り再現できるように工夫をして撮影されています。以前スタッフの方から「なかなか難しく、大変だ」とお聞きしたことがあるのを思い出しました。

会場に再現された作品撮影現場の様子1
会場に再現された作品撮影現場の様子2

今回の展覧会は、23名の作家のなみなみならぬエネルギーにみちた作品が一堂に観られるという、とても贅沢な展示でした。また、普段から障害のある人のアートの創作現場に足を運んで関係性をつくり、展示もおこなっているart space co-jinのスタッフのみなさんの技術や情報収集の成果が見られる展示でもありました。

上羽 千春さんの作品/糸の集まった密度や印影が魅力的でした。

今回のレポートでは、「アーカイブプロジェクト」に主眼をおいて書いたため展示作品についてはあまり触れていないものの、23名の作家たちの作品も本当に素晴らしかったので、みなさんはぜひ「アートと障害のアーカイブ・京都」https://kyoto-aapd.jp/ にアクセスしていただき、2025年9月現在で4,173点もの数が公開されている作品を楽しんでみてください。
作者ごと、特徴(モチーフなど)ごと、技法や素材ごとなどいろんな視点で検索をして、気になる作品を探すことができます。
魅力的な作品のジャングルを探検するような楽しさが味わえるかもしれません。

全国では他にもいくつかの団体で障害のある人の作品をデジタルアーカイブ化する取り組みが行われています。興味のある方は色々検索してみるのもおすすめです。

文章・写真:小松紀子

展覧会「京セラギャラリー 2025年夏季特別展 表現のそれから – アートと障害のアーカイブ・京都 –」※会期は終了しています
https://www.kyocera.co.jp/company/csr/facility/gallery/exhibition/detail.html

会期:2025年6月7日(土)~7月26日(土)
会場 :京セラギャラリー 京セラ本社ビル1F
   (〒612-8501 京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 京セラ本社ビル1F)
入場料:無料
主催 :京セラ株式会社、京都府、art space co-jin (きょうと障害者文化芸術推進機構)

京セラギャラリー
https://www.kyocera.co.jp/company/csr/facility/gallery/

アートと障害のアーカイブ・京都
https://kyoto-aapd.jp/

art space co-jinきょうと障害者文化芸術推進機構
https://co-jin.jp/

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